「非正規職シングル女性の社会的支援に向けたニーズ調査」(ウェブアンケート調査及びグループインタビュー)に寄せられた当事者の声からは、低収入と雇用継続の不安、老後や健康への不安、独身であることへの社会のまなざしなどが、如実に浮かび上がりました。
契約・嘱託
~重い責任と仕事過重、雇用継続の不安~
契約更新されるかいつも不安。退職金もなく契約を切られて放り出されると、生活できなくなる。
(36歳 女性)
正規雇用と変わらず責任の重い業務を担当しているのに、低賃金で期限付き。高い社会保険料や税金を払っているのに、(子育て支援のようには)何の支援も、評価もない。契約終了後にまた仕事が見つかるかわからない。どうしたらよいのか・・・。
(48歳 女性)
派遣社員
~雇用継続への高い不安、研修機会も交通費もない低待遇~
社員と同じ仕事をしているのに交通費もボーナスもない。休みも年休しかない。
(36歳 女性)
研修もない、セミナーや会議にも参加できない、出張もないので外の人と接する機会がない。
(40歳 女性)
派遣法改正でこの先どうなるかわからない。
(41歳 女性)
パート・アルバイト
~就労形態別で最も低収入、6割強が年収150万円未満~
月に22日出勤しても手取り10万程度。時給がとにかく低すぎる。
(35歳 女性)
仕事量が時期によって違うため収入が不安定。他のバイトとかけもちでなんとかやっている。
(35歳 女性)
「老後の生活」について
老後、年金だけでは施設に入ることも不可能。自分は孤独死するだろう。
(44歳 女性)
親の死後、孤独になること。公務員だった母の年金収入が途絶えることによる生活の不安。
(51歳 女性)
「健康」について
摂食障害をかかえながら働いており、いつまでもつのか考えるときがある。
(35歳 女性)
正社員だと健康診断は無料だが、自分は費用を比較して受ける範囲を(限定期に)選ばざるを得ない。健康面や老後の不安は、若いときは感じなかったが、今ひしひしと感じている。
(48歳 女性)
家族と自分の健康が一番気がかり。家族、自分のどちらが倒れても今の生活が成り立たなくなる。非正規職のため、病気になっても休職することができず不安。
(50歳 女性)
「家族の世話・介護」について
弟が2人いるが仕事をしているので、自分が仕事をやめて親の介護をすることになるのでは、と思う。結婚していて夫の収入があって保障されていれば、それもありだが、自分はそうではない。自由がない。
(30代後半 女性)
母の介護のとき、正社員で介護休暇のある姉の出産と重なり、介護休暇もない自分が介護を担った。その大変さを姉には理解してもらえない。
(42歳 女性)
現在両親の介護中で、私自身もがんサバイバー。負債やローン等に困窮し、両親の年金、きょうだいの援助で生活している。両親亡きあとは即貧困になる。
(49歳 女性)
「独身であること」について
独身、子なしだと非国民と思われる。国も産まないのが問題だという。
(37歳 女性)
体調不良で救急搬送された際、付き添いがないことを理由に受け入れを断る病院が多かった。独身女性は病院にもいやがられる。お金で解決できないのはつらい。
(42歳 女性)
中年以上の非正規職独身女性に壁となっているのは「金と時間と自由がある」、「自ら選んでいる」、「親が裕福」などの世間の偏見と企業の体質。見ぬふりをしてきた国と行政。このアンケートが実施されて、メディアを使い、拡散してもらうだけでも第一歩。
(42歳 女性)
「住まい」について
今は父と住んでいるが独立したい。URの賃貸住宅を探しても家族向けは多いが、シングル向けにはない。
(42歳 女性)
空家や団地などを安く提供してくれないだろうか。住まいがないのは切実。高齢者が多い団地なら、自分(たちの世代として)もできることはやろうと思うが。
(42歳 女性)
安アパートなので隣近所に筒抜け。引っ越すにも賃貸だと保証人や収入審査がきびしい。